グレードってなに?
レンズには他の商品と同様にグレードがあります。ではメガネのレンズでいうグレードとはなにのことを指しているのでしょうか?
ここではレンズの設計による違いに焦点を当ててお話します。
球面レンズ
最も古くから製造されているレンズで、表面が球面の一部になっている形状のレンズです。光源から出てきた光がすべて1点に集まるのがレンズの理想です。しかし実際には下図(左の方の図)のように1点に集まる(完全な焦点を結ぶ)ことはありません。レンズの中心付近を通った光の屈折度は弱く、レンズ周辺を通った光の屈折度はどんどん強くなるからです。結局レンズ周辺に近づくほどボヤケた映像になってしまいます。これを球面収差と呼びます。

外面非球面レンズ
この球面収差による周辺ボケの問題を解決するために、レンズの中心から周辺に向けて曲率(カーブ)を変化させるという、複雑な補正値いりの曲面を持ったレンズ=非球面レンズが開発されました(上の図の右側)。
初めはレンズの外側(外面)に非球面を与える外面非球面レンズが作られました。レンズの外面側で補正値いりのベースとなるカーブ(非球面)を決めて、レンズ内面側に度数を付ける設計です。
内面非球面レンズ
レンズ外面側に補正値いりの非球面を与えると、レンズの前面側のカーブが自由に決められないという問題が発生します。その為、レンズ外面側は従来の球面カーブを採用して、内面側に補正値いりの非球面を与える内面非球面レンズが開発されました。しかしながらこうすると、内面側には度数を付けながら尚かつ非球面による補正も与えるという技術的な難しさがあります。そのためグレードとしては外面非球面より上のグレードのレンズになります。フレームに合わせて最適なレンズカーブでメガネを製造するためには「カーブ指定」という注文を出す必要がありますが、正にこうした注文に答えられるのが内面非球面レンズなのです。
両面非球面レンズ
非球面化をさらに推し進めて、レンズの外面・内面の両方で非球面補正を行うのが両面非球面レンズです。もっとも収差が少ない視界を得ることが出来ます。グレードとしては最高のグレードのレンズが両面非球面レンズです。ただし、外面側にも補正値が入るため、カーブを自由に決めることは出来ません。その場合は内面非球面レンズが使われます。
遠近両用では?
遠近両用レンズはもともと外面側のカーブを連続的に変化させる事によって加入度(老眼)を与えています(外面累進方式)。しかし単焦点レンズと同じく遠近両用レンズでも、できる限り収差を少なくする為、或いはカーブ設定を選べる目的の為、現在は内面側に加入度と度数を両方付ける内面累進方式が主流になっています。更に外面・内面の両方で収差を減らす為の補正を与える「両面累進レンズ」まで製造されています。両面累進は最もハイグレードな遠近両用レンズです。
メリット
ハイグレードのレンズを使うメリットは度数を変えた時の「視界が快適であり、見え方の違和感が少ない」ということです。特に度数が強いレンズほど、その違いがハッキリしてきます。
また、収差が少ないということは理想の度数に近い矯正ができるという事でもあります。メガネは度数を変えると気持ちが悪いものなので、目が悪くなったからと言って急に度数を変えられません。それなりに不快感を与えない程度まで度数を加減して(弱めて)作ります。が、ハイグレードになるほど度数を弱める必要性が減るので、理想の度数に近い制作ができるという事になります。もう後1ステップ(0.25)を余分に入れられるレンズがハイグレードレンズのメリットとも言えます。
